『寺田寅彦随筆集』

『寺田寅彦随筆集 第二巻』の本の表紙の写真。緑と白の岩波文庫の定番のカバーです。


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『寺田寅彦随筆集 第二巻』。五巻まであります。
夏目漱石さんの『吾輩は猫である』に登場する理学士の水島寒月のモデルとなった物理学者の寺田寅彦さん。科学にとどまらず文学などの造詣も深く、そのエッセイは魅力です。夏目漱石さんの古参の弟子なのですが、寅彦さんに漱石さんが科学などの教えを請うこともあったそうです。

この第二巻の中の「備忘録」の中に、「線香花火」と「金平糖」のことを書いた随筆が載っています。
「線香花火」と「金平糖」は大好きで、「金平糖」は見つけると買って食べたりあげたりしています。「線香花火」の方はずっとやっていなくて憧れになっています。

先日、神保町の本屋さんを巡っていて、新刊本屋の「東京堂」さんで、『寺田寅彦「線香花火」「金平糖」を読む』の本を見つけました。『寺田寅彦随筆集』に入っているのを知っていたので、買うかどうかを悩みましたが、中谷宇吉郎さんのことや線香花火や金平糖の研究のことも書いてあったので手にいれました。

書影はこちらです。




『寺田寅彦随筆集 第二巻』の「備忘録」の「線香花火」のくだりです。

「夏の夜に小庭の縁台で子供らのもてあそぶ線香花火にはおとなの自分にも強い誘惑を感じる。これによって自分の子供の時代の夢がよみがえって来る。 今はこの世にない親しかった人々の記憶がよび返される。はじめ先端に点火されてただかすかにくすぶっている間の沈黙が、これを見守る人々の心をまさにきたるべき現象の期待によって緊張させるにちょうど適当な時間だけ継続する。
(中略)
「線香花火の一本の燃え方には、『序破急』があり『起承転結』があり、詩があり音楽がある。」

(『寺田寅彦随筆集 第二巻』の「線香花火」より)

まさに見る人まで巻きこむドラマであり映画、音楽、詩でもあるかのようです。線香花火の火花の向こうに何を見るのかによってそれぞれ見る人のドラマになるのかなと思います。

『寺田寅彦「線香花火」「金平糖」を読む』の本には、寺田寅彦さんに師事した、雪の結晶の研究者の中谷宇吉郎さんとのくだりも載っていてこちらも興味深いです。中谷宇吉郎さんのことは今度書きたいと思っています。

『寺田寅彦随筆集 第二巻』については、X(Twitter)にもツイートしています。
『寺田寅彦随筆集 第二巻』の X(Twitter)のツイート

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