谷川俊太郎さんの『みみをすます』

『みみをすます』の詩集の表紙の写真。黄色の表紙に薄く白のしましまで耳が大きな顔のイラストが描かれています。

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シンプルで本質的です
みみをすます / えをかく / ぼく / あなた / そのおとこ / じゅうにつき の5つの章に分かれています。
書かれている文章から、視覚、聴覚、触感、記憶などがよみがえり、その世界にいざなわれます。

「みみをすます」より

みみをすます
きのうの
あまだれに
みみをすます

みみをすます
いつから
つづいてきたともしれぬ
ひとびとの
あしおとに
みみをすます
めをつむり
みみをすます
ハイヒールのこつこつ
ながぐつのどたどた
ぽっくりのぽくぽく
みみをすます
ほうばのからんころん
あみあげのざっくざっく
ぞうりのぺたぺた
みみをすます
わらぐつのさくさく
きぐつのことこと
モカシンのすたすた
わらじのてくてく
そうして
はだしのひたひた・・・・・・
にまじる
へびのするする
このはのかさこそ
きえかかる
ひのくすぶり
くらやみのおくの
みみなり

「じゅうにつき」の章から。

はちがつは
うみ
いつまでもくりかえす
なみ
にうたれて
まるくすりへった
あおいびんの
かけらは
どこにもうっていない
たからもの
あしのうらを
くすぐる
すなのながれ
すいへいせんに
わきあがる
にゅうどうぐも
ゆめのような
いちにち

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