神谷美恵子著作集~『若き日の日記』
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神谷美恵子著作集。何十年も前に読んだのですが、最近、他の本を探していたときに出てきたのでパラパラと読んでいたのですが、読めば読むほど素敵な著作集です。
1966年に『生きがいについて』が初版発刊されていますが、1981年から刊行された著作集、そして2004年に発刊された神谷美恵子コレクションと時代を超えて読み継がれている本です。
神谷美恵子さんは、『生きがいについて』の著書にあるように、人が生きていくことについて深く洞察し、悲しみに暮れる人のそばにあろうとした人でした。
「人間が元気よく生きて行くためには生物学的条件がそろっただけではだめで、その上、いろいろな精神的、社会的条件がみたされなくてはならない。その中でも、もっとも重要なのが、生きがいを感じたい、という欲求の充足であると思う。」
(神谷美恵子著作集1『生きがいについて』より引用)
「精神的苦悩は他人に打明けることによって軽くなる。なぜであろうか。きいてくれる相手の理解や愛情にふれて、慰めや励ましをうけるということもあろう。しかし何よりも苦しみの感情を概念化し、ことばの形にして表出するということが、苦悩と自己との間に距離をつくるからではなかろうか。「いうにいわれぬ」 苦しみをいいあらわそうとするとき、ひとは非常な努力によって無理にも苦しみを自分からひきはなし、これを対象として眺めようとしている。その時、自分ひとりでなく、だれかほかのひとも一緒にそれを眺めてくれれば、それだけでその悩みの客体化の度合は大きくなる。 悩みというものは少しでも実体がはっきりするほど、その圧倒的なところが減ってくるものらしい。したがって、いいかげんな同情のことばよりも、ただ黙って悩みをきいてくれるひとが必要なのである。」
(神谷美恵子著作集1『生きがいについて』より引用)
本質的であり、そのまま素直に受けとめたいと思う文章です。
神谷美恵子さんは、精神科医で、美智子皇太子妃(現上皇后)の相談役でした。そして美智子皇后さまが愛読していたのが、松田瓊子さんの『七つの蕾』です。
『七つの蕾』の百合子のモデルは神谷美恵子さんで、神谷美恵子さんの身におきたことを題材にしてます。
松田瓊子さんと神谷美恵子さんは聖書研究会で知りあった友人で、軽井沢の別荘がお隣どうしの家族ぐるみのつきあいでした。そして神谷美恵子さんと松田瓊子(旧姓野村瓊子)さんのお兄さま(野村一彦さん)とは想いをよせあっていました。
神谷美恵子著作集補巻1の『若き日の日記』は、神谷美恵子さんが若い頃の日記です。時代は戦時中です。
この中に、野村瓊子さんの「瓊ちゃん」という名前も出てきます。
痛みのない、完全な健康の時というものが私には少ないだけ、そうした瞬間を限りなく大事に感ずる。瓊ちゃんのように長病みの人には、恐らく、生きるということの喜びが、 病と死を背景にスポットライトを浴びたように照りかがやいたのであろう。普通の人は生きることや、健康であることを意識したりはしない。
(神谷美恵子著作集補巻1の『若き日の日記』、1942年9/21の日記より)
神谷美恵子さんと松田瓊子さんの関係を知らずに、別々にそれぞれの著書に出会いました。
神谷美恵子さんの本は、前述したとおり何十年も昔に買って読んでいるのですが、松田瓊子さんの本は、大阪水無瀬にある長谷川書店さんで『すみれノオト』という本を10年くらい前に見つけて魅力にはまり、『七つの蕾』の本を読んでいます。
神谷美恵子著作集のことは、X(Twitter)ではしばらく前から紹介していています。
「神谷美恵子著作集1『生きがいについて』のツイート」
「神谷美恵子著作集4『ヴァジニア・ウルフ研究』のツイート」
「神谷美恵子著作集5『存在の重み』のツイート」
またオンラインストアに商品(古本)も登録してますので興味ある方はご覧ください。
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ページの左上にある「虫メガネのアイコン」(PC)、もしくは「三本線のアイコン」(スマホ)をクリックして、「神谷美恵子」と入力して検索してください。
これらの本の裏表紙に書いてある説明文は、とても魅力的に書かれていて、オンラインストアの本の説明文として引用しています。
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