東山魁夷さんの『古き町にて ―北欧紀行―』

『古き町にて ー北欧旅行ー』の本の表紙の写真。北欧のどこかの街のお店の看板らしき東山魁夷さんの絵が載っています。看板はアールヌーボー的な曲線の鉄の棒で作られている感じで看板のそこかしこに照明が取り付けられています。


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東山魁夷さんの『古き町にて ―北欧紀行―』
美しいイラストと静謐な文章に心が落ち着きます。
東山さんが1962年に北欧のデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドを巡ったときのスケッチです。
1964年に発刊の本の復刻普及版です。元版も見てみたいですが、この本も十分素敵です。

表紙の絵の説明は載っていませんでしたが、お店の看板を説明するくだりもあったので北欧のどこかの街のお店の看板かなと思います。アールヌーボー的な曲線で作られていて照明も取りつけられています。
この本は、「美しい地圖」という序文を川端康成さんが寄せています(地圖は、地図)。そして100部限定の本で、56枚のリトグラフが掲載されており、215枚の版を描いたことが解説に書かれています。

文章も美しい余韻があります。

「これでコペンハーゲンともお別れだ。」 と, 私はなかば独り言のように去った。 妻も名残り惜しそうにあたりを眺めている。 私達のテーブルには丸いガラス球の中に蠟燭の赤い焔が, わずかに揺れている。そのそばに色どりの美しい花を挿した花瓶。 どれも同じようなテーブルが栃の木立の間に置かれている。
 葉越しに見える深く澄んだ夜空の青さ ― 夜が青くなった ― それはこの北の国の短い夏が過ぎ去ったのを意味している。夏の間はあんなに夜があかるかったのに ……………… フィンランドの湖畔の,樅の森を背景に燃え上った夏至祭の焰が見えた。 はるか遠く, 招くように, 誘うように ……………… すると私の胸に,強い郷愁に似た想いが湧き上った。
(『古き町にて ―北欧紀行―』より)
























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