安野光雅さんの『ソナチネの木』

『ソナチネの木』の本の表紙の写真。黄や茶が混じった壁らしきところに消えかかった音符や文様が描かれています。帯には、谷川俊太郎さんが「絵から音楽が聞こえてくる 言葉に森の香りが漂う 魔法っぽい本です」という文章を寄せています。


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岸田衿子さんと安野光雅さんの『ソナチネの木』。
はるか昔に奏でられた自然や人々の営みを思いおこすようなページに、不思議な文様や踊る文字。安野光雅さん音楽的なイラストと岸田衿子さんの深い詩が載っていて、幻想的でとっても美しいです。








風をみた人はいなかった
風のとおったあとばかり見えた
風のやさしさも 怒りも
砂だけが教えてくれた

ホルン吹きが いなくなると
森の木や 水たまりに
たくさんの 音符の屍体を
みつけるのだった




いつのまに 春は
色をちらかしたのだろう
いつのまに 絵の具はかわいて
押花ばかり 置いていったのだろう

さがしにゆく
絵の中から 絵の外へ
まっすぐのびていた道を
峠の向うがわへ とばした風船を




海をわたるために
姿のよい乗り物をつくる
曲線と直線が 天で結ばれた
うつくしい舟

仔馬のたてがみが 炎のようにゆれて
生まれたままの 大地があった
夢からさめたのに
ひずめの音が まだきこえている















何度見ても想いを遠くにもっていかれます。

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